Alphabet (Google)が公式に発表した適時開示・プレスリリース・SEC提出書類を、提出日・書類種別・原文リンク付きで新しい順に掲載しています。
Alphabet(Google)は、インターネット検索エンジン「Google」を中心に、検索連動広告・ディスプレイ広告などのデジタル広告事業を主力収益源とする持株会社である。動画共有サービス「YouTube」、スマートフォン向けOS「Android」、クラウドコンピューティング事業「Google Cloud」なども手がけており、以下で説明する量子コンピュータ研究(Google Quantum AI)は数ある研究開発部門の一つという位置づけにある。
Google Quantum AIは、Alphabet傘下で量子コンピュータの研究開発を行う部門で、超伝導量子ビット方式のチップを自社設計・自社製造(カリフォルニア州サンタバーバラの拠点)している。2024年12月に発表した最新チップ「Willow」は105量子ビットを搭載し、量子ビット間の演算精度(2量子ビットゲート忠実度)は約99.88%とされる。2025年10月には、WillowチップでOTOC(out-of-order time correlator)アルゴリズムを用いた「Quantum Echoes」が、既存スーパーコンピュータ上の最良の古典アルゴリズムに対して約13,000倍高速に動作したと発表され、結果を再現・検証できる「verifiable quantum advantage(検証可能な量子優位性)」の初の実証と位置付けられている。オープンソースの量子プログラミングフレームワーク「Cirq」も提供している。
Googleは2012年に量子AI部門を設立して以来、量子コンピュータの研究をAlphabetの長期研究開発(いわゆる「ムーンショット」的投資)の一環と位置付けている。2024年12月時点で、大規模な誤り訂正型量子コンピュータの実現に向けた「6つのマイルストーン」からなるロードマップを公表しており、2019年の「古典超越」実証、2023年の「論理量子ビットのプロトタイプ」実証を経て、現在は長寿命な論理量子ビットや論理量子ビット間の論理ゲートの実現に取り組む段階にあるとされる。2026年3月には、超伝導方式に加えて中性原子方式のハードウェア開発をコロラド州ボルダー拠点で追加したとの報道もあり、複数の量子ビット方式を並行して探索する戦略をとっている。ただし、量子コンピュータ事業がAlphabet全体の売上・利益に占める規模は開示されておらず、現時点では研究開発・技術実証が中心のフェーズとみられる。
なお、Alphabetの純利益は保有株式の評価益・評価損など一時的な要因で大きく変動することがあり、参考指標として見る際は注意が必要である。また、下記の主要指標欄に示す業績数値はAlphabet全社の連結ベースであり、量子コンピュータ事業単体の売上・損益は公表されていない。